8/25/2012

6.五条楽園歌舞練場

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6.五条楽園歌舞練場



 京都に着き、早速会場を下見に行くことにした。国道から一本中に入った細い路地は、昭和の面影を残していて、何か懐かしい気持ちにさせてくれる。しばらく路地の中をさまよっていると、ようやく会場らしき建物が見えてきた。僕たちのいる細い路地にはお茶屋が立ち並び情緒あふれる雰囲気をかもしだしている。かと思えば、すぐ真裏には広い国道が走り、横には背の高い鉄筋コンクリートのマンションが建っていて、上から僕たちを見下ろしている。そのコントラストに少し戸惑いを感じてしまう。会場は古い木造の建物でその周りだけ時間が止まっているかのような錯覚にとらわれてしまう。

 京の花街、五条楽園。そこに会場である五条楽園歌舞練場はある。大正4年に建てられ、100年以上の歴史がある場所だ。 舞妓さんたちが練習に使っていた場所で、その中に入ると時間は止まり、当時の三味線の音や、舞妓さんたちが踊る息づかいが今にも聞こえてきそうだ。このよ うな由緒ある場で行えることが信じられない半面、明日のことを思うと気持ちが高まり、まだ明日は来ていないのに、その場にいれるという事実にさらに胸が躍ってしまう。

 3階建てのその建物は、2階が畳の座敷になっており、150人位が入る広さがある。天井にはプロペラのファンが回っていて涼しい風を送っている。正面の板張りの舞台は一段高く、部屋の両サイドには赤提灯がぶら下がっていて、その下には青山氏のサーフボードが並べられている。その部屋の中にいると、周りの世界があまりにも現実離れしていて、まるでタイムスリップしたような、それが夢なのか、はたして現実なのか、分からなくなりそうになる。

 急な階段を上がり3階に行くと、青爺BARと筆で書かれた半紙が貼ってあり、お酒が飲めるチリアウトラウンジだ。大きなモニターがあり、ここでは床に座ってお酒を飲みながら映画を鑑賞できるように工夫がされている。

 準備のため早めに会場に着くと、プロデューサーのROCKET宮本氏は音響の調整をしていた。元気のある関西弁で挨拶すると、お互いすぐに打ち解け、この人に任せておけば大丈夫だ、と安心した。ここでの開催にあたり骨身を削って準備をしてこられた。ミヤモト氏がいなければ、この素晴しい会場での上映会は実現し得なかったに違いない。

 Dickさんも、会場がこんなにも素晴らしい場所だとは予想だにしていなかった様子で、「unbelievable!!」を連発していた。本人自ら音響やスクリーンの位置を調整して、まるでスタッフのように働いていた。

 それも気の使い方が半端じゃない。会場にいるすべての人がちゃんと見れるように、部屋の隅々まで歩き回ってスクリーンの高さを調整したり、音響もお客さんが快適に聞こえる音が出ているか、座布団の数は足りるのか、、、こと細かにチェックしている。

 名古屋では、遅れてきた人が後ろで立っていると、「来てくれたみんなに快適に見て欲しい。」と言って、わざわざ前まで椅子を取りに行って、その人のところに持って行く。石井さんが言うように、Dickさんは博愛主義者だ。

 何をするにしても自分を後回しにする。サインを求められれば何かをしていても手を止めて、笑顔でサインとともに握手をする。どこかに食事に行っても、選ぶ時に食事代を出す人に、これは高くないか?と必ず聞いてくる。一緒にいると、その腰の低さは、作為を持ってそうしている のではなく、ごく自然体でそう振る舞っているのが分かる。


 こんなに謙虚な人が他にいるだろうか。巨匠と言われる人がここまで謙虚にしているのを見て、心が洗われる思いがした。もし自分がDickさんと同じ立場だったら、はたして同じように振る舞えるだろうか?僕 だったら間違いなく天狗になっているに違いない。Dickさんが自分の目の前で実際にそうしている姿は、謙虚でいるということの美しさを教えてくれた。

 Dickさんらしいエピソードがもう一つある。当日の午前中、京都の町並みを撮影するためにDickさんも一緒に祇園に出向いた。高台から正面には京都の 街が、背中には山の中にたたずむ大きな観音様が立っている。その日本ならではのコントラストにしばらく見入っていたDickさんは、街を見ながら「どれだけの人がこの狭いエリアに住んでいるんだろう。」と言い、山のお寺を振り返り、「お坊さんたちは賢い。彼らは静かでピースフルなところに住んでいる。」と 言った。


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2 件のコメント:

コンドロイチン 副作用 さんのコメント...

初めまして
サーフィンいいですねw

Kaoru Inouye さんのコメント...

はい、最高です!
ぜひご一緒にやりましょう!